京都の巻 2000年5月19日〜5月21日

5. 御所が呼ぶ声

8時45分から二条城は開いているというので行ってから仕事に行こうと考えていたのだが、二度寝をしていたらその余裕がなくなった(爆)。まあ、何度も行ってるからいいかと思いホテルを出る。

せっかくすぐ近くに京都御苑があるので、そこを通って仕事場に行くことにした。最寄りの入口は蛤御門だ。禁門の変が起きた現場として知られた門である。案内の立て札にもあったが、門には弾痕があり、京都の歴史の重みというものを感じる。御苑は、今は、京都御所と仙洞御所以外は公園として公開されている(申し込めば御所は見学できないことはないのだが、土日祝日は公開していないので、いずれにせよ私の見学は出来なかった)のですんなりと入ることが出来た。入るとすぐ左手に京都御所が、それをすぎると右手には仙洞御所だ。大きな壁に遮られて中を窺うことは出来ないが、苑内は緑にあふれていてとても心が休まる。

清和院御門を出ると左手にあるのは梨木神社だ。萩の名所として有名な所だ。境内にある手水舎の井戸「染井の水」は、唯一現存する京都三名水の1つだという。手水舎前にある「愛乃木」は撫でると願いが叶うというので、何度も撫でてしまった。え、何をお願いしたかって。そんなの言えるわけがないじゃないですか。恥ずかしい(笑)。

府立医大の前で河原町通を上がり、今出川通にぶつかったところで鴨川にかかるかも大橋を渡り出町柳へ。鴨川では、朝から川原でいちゃいちゃしているカップル発見。しかも見ていると際限なくいちゃいちゃしている。「俺様はこの週末彼女に会えないというのに、むかつく…」などと、先ほどのでのいい気分はどこへやら(苦笑)。が、京大前の進々堂でミルク入りのカフェとホットドックを食べたら気が晴れた(笑)。そして、私は仕事場に向かった。仕事場には、遅刻することなく無事に付き、仕事もちゃんと終えることが出来た。

6. タワー再び

仕事を終えると同僚と京大へ。京大の時計台の辺りはもうじき取り壊されて新しい校舎になると聞いたので見に行く。ライトアップされた時計台は荘厳な感じがして、非常に印象的だった。

京大の正門を出ると、交差点脇に本屋があったので入ってみることにした。名前を春琴堂という。谷崎の春琴抄からとったのだろうか。店内に「学習参考書はありません」と大書きしてあるのが男らしい(笑)。同僚が真面目に本を探しいてるときに、何気に目に入ったのが『ガンプラマニュアル2』。何もこんなときに見つけなくてもいいだろう、俺も。というわけで、忘れないうちにと思い、同僚の目を盗んで買ってしまった(笑)。幸いにしてばれなかったが、彼のことだ。きっと気づいているに違いない。

泊まっているホテルが違うので、彼とは本屋の前で別れ、京都駅行きのバスに乗る。昨日、京都タワーに行ったときに、タワー温泉というものがあると知ったので、それに入湯すべく向かうことにしたのだ。車内では、隣に座った女子大生らが京都弁でずっと喋っていたのが、のほほんとしていてよい。

京都駅でバスを降り、京都タワーへと向かう。早速地下3階の温泉へ。だが、様子がおかしい。地下のゲームセンターの筐体の電源がすべて落ち、部屋も暗い。温泉のある方は、明るいので見てみると、入湯券の券売機も電源が落ちている。よくよく入口の案内を読んでみると、何ということだ。20時半で終了だったのだ。時計を見ると20時20分。それでは、ダメだ。私はがっくりと肩を落とした。

京都タワーの外観は結構いけてないのでとっとと帰ろうかとも思ったが、せっかく来たのだからと思い、展望台に行くことにする。この間の名古屋での一件にこりずにだ(笑)。早速チケットを買って展望台行きのエレベーターへ。エレベーターガールはあまり可愛くなかった。茶髪が似合わんかってん。エレベーターの中のアナウンスは京都弁だったが、エレベーターガールの口調はここでも標準語。せっかく京都の観光地に来てるんだから京都弁で全部案内してくれと思うのは贅沢なのだろうか。同時に乗っていたのは白人の親子と大阪から遊びに来たらしいおばちゃんたち。おかげで煩いことこの上ない(笑)。

展望室はかなり狭い。人もそれなりにいたので、不快指数はじょじょに上がり気味(爆)。夜景はしかし綺麗だった。これで、彼女が横にいれば…。高いところが苦手なので、揺れてくれるなよと思っていたら、空が突然光った。稲妻だ。一瞬、誰かがストロボをたいたのかとアホなことを思ってしまった(笑)。

今回は、周りにいたのはおばはんばかりだったので、それほど不快指数は上がらずにすんだが、ふと寂しくなって絵葉書を買うと彼女に手紙を書いた。メールでもよかったのだが(結局、寝る前にメールも送っているのだが)、手紙を書いてみたかったのだ。

7. サウナの攻防戦

京都中央郵便局から葉書を出すと、轟音一閃雷鳴が鳴り響き、バケツをひっくり返したように雨が降り注ぐ。あわてて、地下街に逃げ込む。ホームレスの人たちが2人、ぼんやりと閉じられたシャッターの前に座っていた。21時をまわっていて店舗がみな閉まっていた上にこの大雨、地下街はがらんとしていた。煌々と輝く明かりがもの寂しさを増す。

京都駅構内に出る出口から出て、交番を探す。どうしても広い風呂に入りたかったのだ。汗と湿気でべたべたとした体をどうにかしたかったからだ。お巡りさんに聞くと、駅近くに東湯という銭湯があるという。行ってみると、土曜定休の文字が…。それならそうと最初から言ってくれればいいのに…。が、サウナの方は開いているようだ。エレベーターで上がって、先に会計を済ませる。甚平に着替えて、風呂へ。他に客がいない。貸切状態が嬉しい。風呂は、ジャグジーに打たせ湯、薬湯、冷泉とある。頭と体を洗うと、ジャグジーにまず入る。腰に水流が当たっていい感じだ。疲れがほぐれていく。思わず風呂で泳ぎたくなる。と、その時物音が。サウナから浅黒い体格のいい中年男性が現れた。ふぅ。泳がなくてよかったぜ。一通り風呂に入るとサウナに入る。サウナの中のTVでは「伝説の教師」をやっていた。松っちゃんが、竹中直人演じる金融屋から借金の督促を受け、生徒の使用済み体育着を盗んでこいと言われ弁解していた。なかなか面白い。しかし、ずっと見ていると干上がってしまう。そうだ、濡れタオルを持っていれば。早速タオルを冷泉につけてサウナに入りなおすが、所詮は浅知恵。すぐに熱さに耐え切れなくなって出てしまった(爆)。

仮眠室で暫し仮眠を取り、終電近くの地下鉄でホテルへと戻った。

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退室