History of ZAKU

【伝説の始まり】

MS-05B
MS-05B(画像クリックで詳細表示)

MS-05の運用テストやパイロットの育成と平行して、公国軍はさらなる改良機の開発を急いだ。MSの基本設計は、ほぼ確立していたものの、有視界戦闘に欠くことのできないモノ・アイの精度、主機の出力、流体パルスモーター式アクチュエータの出力、冷却システム等、実戦に投入するにはまだまだ性能向上を計らねばならないとわかってきたためである。

0076年8月、熱核反応炉を新型のZAS-MI11に換装した新機種MS-06A(ザクU)が開発された。ZAS-MI11の出力はMS-05のZAS-MI8Bのものよりも格段に高く、それに伴い新方式の宇宙空間用冷却システムが装備された。従来のタイプでは宇宙空間におけるエンジンの冷却に際し、ロケット燃料用の液体水素に熱を吸収させ、ロケット噴射時に機外へ破棄していたわけだが、この方式に頼る限り、ロケット燃料の消費に伴い熱核反応炉の出力を落としてやらないと、エンジンは数分以内にオーバーヒートしてしまう。これに対して新冷却システムは、熱核反応炉や高エネルギー兵器等の周辺に集中する廃熱を、高性能熱伝導体によりMSの機体構造全体に分散・吸収させるという画期的なものであった。

MS-06A
MS-06A(画像クリックで詳細表示)

このシステムを併用した場合、全力戦闘後のMSの機体は数百度℃にまで加熱されるため、帰還後には宇宙艦内等での強制冷却を必要としたが、それでも、その性能には余りあるものがあったのだ。

外見上は、腹部や脚部に冷却用ダクトや駆動用の流体チューブを収納するパイプが露出し、両肩には球状のアーマーが装備された。武装はMS-05で採用された105oマシンガンより破壊力の大きい120oマシンガンに強化された。

こうしてMS-06Aは開発されたわけであるが、主に、教導部隊のパイロットたちからの提案をいれ、装備の見直し等が行われたため、量産は一時中断され再設計に入った。そして、コクピットの閉開装置の改良等を行い、新たにMS-06Cとして生をうけることになる。


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