札幌の巻 2001年12月6日〜12月12日

6. 落ちてきた雪

朝起きて窓ごしに外を見ると昨日以上に雪が降っている。天気予報では今日一日雪だという。週間予報では水曜日以外は雪だとも。不安を抱えつつ、ホテルをチェックアウト。東京では確実にニュースになるような量の雪に呆れつつも、雪国だしと楽観的な気分を持つようにしたいところだ。

昨日まで近くに居ながら見ることもなかったので、中島公園を散策する。一面の銀世界。しかし、月曜日はたいていの公営施設は休みだったりする。道立文学館も冬のスポーツ博物館も休館。開いていたのは豊平館だけだった。白い世界に白い建物で見落としがちだが、案内を頼りに行ってみた。

白い外壁を縁取る瀟洒なウルトラマリンブルー。これは瑠璃から造られたものだという。現在でも結婚式場として使われているそうで打ち合わせにきている人がいた。贅を尽くした作りに溜息が漏れると同時に往時の苦労が偲ばれる。

中島公園駅から地下鉄に乗って東区役所前駅へ。何だか東豊線をよく使っている気がする。目的はサッポロビール工場だ。行くと始まったばかりだというので早速見学する。見学者は、若いカップル2組と私。説明自体は長岡京の時とあまり変わらない。まぁ、現在のビールの主流からすればどのメーカーでも製造工程自体は変わらないということなのだろう。一番印象に残ったのは、やはり説明のお姉さんが美人だったことだろうか(爆)。最後にビール博物館の中にあるビアホールに案内された。黒生を渡される。目の前にはつまみが用意されている。注ぎたての黒生を堪能する。おかわりをするとクラシックの方を入れてくれた。どちらも捨てがたい。合わせて4杯も飲んだだろうか。試飲の時間は終わりとなった。

7. 天から来るもの

工場を出たら前よりも雪が降っていた。道を除雪車が走っていた。ビール博物館でマイセン美術館の招待券を貰ったので行こうかと思ったが、バスが来ない。地下鉄でぐるっと周ることも考えたが地図を見るとそんなに遠くなさそうだ。歩いていくことに決定。

その前に腹ごしらえ。北8東7の交差点角にあるフレッシュネスバーガーに入ることにする。マクドは好きではないが、丁寧な仕事に好感がもてるのでフレッシュネスは最近のお気に入りなのだ。その前に隣にあるブックオフに入った。新古書店の存在に疑問はあるが、便利であることに変わりはない。入店すると店員が一斉に「いらっしゃいませ!!」と言うのは勘弁してもらいたいが。本を物色するが買って帰りたいと思うようなものは特になし。第2次世界大戦中のドイツ空軍機に関する本やラテン語の本はちと興味をそそられたが、荷物になりそうなのでやめてしまった。

チリドックとホットレモネードで少し遅い昼。荷物を降ろしてようやくくつろぐ。何度見ても雪がやむ気配はない。うんざりしてくる。疲れが取れたところでサッポロファクトリーを目指す。行く途中に旧永山武四郎邸があったが月曜日なのでやはり休館。残念。

マイセン美術館はサッポロファクトリーの二条館の中にあった。札幌に来て以来美術館巡りをしていなかったので、月曜日に行ける所があるというのは嬉しい。マイセンというとドイツの高級磁器メーカー。イヤープレートや花柄の食器などが有名だ。美術館でどんなものを展示しているか行ってみると、食器だけではなく一品物のまさに芸術と呼ぶにふさわしい壁飾りや皿などがあった。雪のせいもあってか観覧者は私しか居らず貸しきり状態なのが妙に嬉しい。じっくりと全ての品々を見ることが出来た。カフェではマイセンの食器を使っていると聞き、招待券があると飲食が割引になるというので入ってみた。カフェの中にもさりげなく展示品があったりして、入らない人は実は損しているのかもしれない。

8. 白い闇を抜けて

札幌駅に行くと改札付近に人波が出来ている。電車が雪のせいで出発が20分近く遅れていたからだ。雪はますます強くなっている。とりあえず電車に乗ると一縷の望みを託して空港へ。電車の中は物凄い混雑だ。

空港では搭乗手続き一時中止のサインが出ている。自分が乗る予定の便も駄目だ。しかし、欠航とは出ていない。土産を買って待つことにした。外を見ると相変わらずの雪。館内放送がしきりとかかる。搭乗口に人が溢れ始める。搭乗時間1時間前になった。そして、欠航のアナウンスが…。

今度は空港のカウンターでも慌てている。携帯電話の番号を教えて明日の何便になるかの返事を待った。こない。ただ待っていても仕方ない。明日の仕事を休まなければならないので関係各所にすぐさま電話をかける。そうだ、今日の宿を確保しなければ。慌てて電話帳をくって予約を取ろうとしたが何処も満室。最悪の場合のことを考えてクレジットカードが使えるところを中心に選んでいるからか…。

諦めて札幌市内に戻ることにした。だが、今度は電車が新札幌から先に進まない。どうりで新札幌で降りた人たちが多かったはずだ。今更判っても後の祭り。暫らく待ってどうにか札幌駅まで戻ってきた。すすきのにはサウナがあったはずと思い(すすきのを毎日うろうろした甲斐があるというものだ(爆))、すすきの駅に向かった。

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